なぜ財務分析・経営分析が必要か?①
- nabeshima55
- May 7
- 4 min read
皆さま、こんにちは。
新年度が始まりいつの間にかゴールデンウィークも過ぎてしまいました。
時が経つのはあっという間だな、と歳を重ねるにつれて思う日々です。
さて、今日は経営で重要だと私自身が考えているアイテムの一つとして、「財務分析・経営分析」についてお話いたします。
数字というのは何にも勝る最重要な情報だと私は考えています。
営業を極める方、技術を極める方等、専門職的に極めていく方は一概にはそうとは言えませんが、経営全般に携わるなら必ず必要です。
例えば自分の会社の社長が「数字全然わからない、知らない!」と言い出したら困りますよね。
経営者は財務・会計の専門家である必要はありません。
ただ、パッと要約された財務数値を見て、その意味することが何なのか、何をしたら経営が良くなるのか、を数値面から判断・決断していくことが必要です。
そのためには財務分析・経営分析と呼ばれる手法を用いるのが効果的です。
では、なぜ財務分析が大事なのか?
1. 数字はウソをつかない!財務数値に限ったことではありませんが、数字というのは状況・状態を定量的に示したものであって、
恣意的だったり悪意があったり、又は間違っていたりしなければ、数字はウソをつきません。
言い換えると、「数字の背後には原因がある」ということです。
経営改善を行うにも、何をどう改善すればよいのかを特定する為に、数字面からのアプローチが有効です。
数字の裏にある原因を読みに行く、という言い方も出来るかもしれません。
ちなみに数値面の感度を上げておくと、悪意ある数値(いわゆる改竄系)や間違い数値もピーンと来るようになります。
これはたぶん経験と慣れの問題もあるかとは思います。
2. トコトン掘ると何かが見える!
さて、数字はウソをつかないという前提のもと、財務分析をする場合、以下切り口で分析をすることが一般的です。
①収益性:しっかりと収益を上げられてるか?利益を出せる構造になってるか?
②効率性:無駄なく売上獲得出来てるか?不要な資産等の重荷を背負ってないか?
③安全性:会社は財務面で健康体か?立ち行かなくなるリスクを孕んでいないか?
これら3つの切り口は自社のみならず、あらゆる会社の経営がどうなっているかを見るときの基本ポイントです。
例えば、投資先企業(株式投資を行う場合も)の管理を行う場合、投資先企業がどうなっているかな?と気になりますよね。
①ちゃんと儲けられているかな?競合他社よりも収益性高いかな?
去年よりも収益性落ちてたりしないかな?
②売掛債権とか在庫が重くなってないかな?
固定資産過剰になったりしてないかな?
ちゃんと売り上げに結びついているかな?
③借入金多すぎてないかな?現金ちゃんと手元に残ってるかな?
といった観点で確認していくイメージを持って頂ければ十分です。
■支援例その1
一番分かりやすいのは①収益性です。
実際に私が経験したケースの中で、売上は毎年上がっているのに、営業利益率が毎年下がっている会社がありました。
これだけ見ると、「なんとかしろ!」となるわけですが、経営者としては「〇〇を××して改善していこう!」という号令を出さなければならないわけです。
何をやったかと言うと、その企業の売上をセグメント分解し(例えば製品別、事業別、地域別等適切な切り口)、その分解に基づいて営業利益まで算出して、どのセグメントが足を引っ張っているのかを確認します。
その過程で、売上高総利益がそもそも下がっているのか、そうではないが営業利益だけが下がっているのかも確認(その時は営業利益だけでした)。
では費用項目別に見て何か変な動きをしているものはないだろうか?何かが悪さしてないだろうか?と見てみます。
大体このへんまで来ると、「あ、こいつだ」というアイテムが見えます。
あとはそれを改善する手法を検討・協議・決定することになります。
言うは易しですが、その改善がやはり難しいこともままあります。
ただ、ここは経営者の覚悟と力量が問われることとなります。
ちなみに私が支援したケースでは悪さをしていたのは人件費と消耗品費でした。
特定セグメントのコストである人件費が毎年上がりつつあり、消耗品が仕入先との交渉不足により高騰。本来であればそれらをコントロールしつつ、一部は売上側に転嫁しなければならなかなったのですが、コスト側担当者(バックオフィス)と売上側担当者(営業)が全く連携していなかった、というのが問題の本質でした。
長くなってしまったので、続きは別記事に書きます。
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