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コンサルタントとAI ―人間の知恵とテクノロジーの共進化―

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  • Jun 30
  • 3 min read

Updated: Oct 5



「生成AIによってコンサルタントや士業は不要になる」という意見について、考えてみました。

実際に、生成系AIの登場は、私たちの思考や仕事のあり方に大きな変化をもたらしました。

中でも、ChatGPTに代表される対話型AIは、コンサルティングの現場にも少しずつ浸透しつつあります。


かつては膨大な時間をかけて行っていた調査や資料作成、情報の構造化といった作業が、

今やAIの支援によって短時間で処理できるようになっています。

実際に私たちの日々の仕事の中でも、AIは情報の整理、要点の抽出、アイデア出し、仮説構築などにおいて非常に高い能力を発揮すると感じます。


ただし、私たちは、これをコンサルタントや士業のような職種にとって不利な変化であるとは捉えておらず、寧ろ、大きな可能性を秘めた変化だと考えます。


私たちは既に、AIを業務プロセスの一部に取り入れ、以下のような場面で活用を始めています。

  • 新規事業構想の初期ブレストにおける発想支援

  • 大量の調査資料の要約・構造化

  • 提案書やプレゼン資料のドラフト作成

  • 内部業務の自動化・効率化


こうした使い方を通じて、AIを「単なる便利なツール」ではなく、

創造性を引き出す共創パートナーとして位置付けています。


また、それでも、コンサルタントにしかできないことがある、とも考えます。


AIの力がいかに進化しても、すべてを任せられるわけではありません。

コンサルティングの本質は「正解のない問い」に対して、文脈や感情、将来性といった

多面的な視点から最適解を探り出すことにあります。


たとえば、こんな場面では、依然として人間の力が不可欠です。

  • 経営者が抱える“言葉にされない”課題や葛藤を読み取る力

  • 現場の空気や文化、非言語的なシグナルを感じ取る力

  • 数値の裏にある「想い」や「背景」を汲み取って提案に反映する力

  • 対話を通じてクライアント自身の思考を深めていく伴走力


これは、現場で汗をかき、人の気持ちに寄り添いながら考え抜く「人」であるからこそ、発揮できるものです。

 

Dezil Consultancyが目指すのは、「AIに代替されない存在」になることではなく、

AIとともに新たな価値を生み出す存在になることです。


私たちは、AIを使いこなす“頭脳”としての人間、そして人間の知恵を増幅させる“装置”としてのAI、その両者が補完しあう構造こそが、これからのコンサルティングの進化形だと考えています。


「スピードと量」はAIに任せ、「洞察と関係性」は人間が担う。

「思考の補助輪」としてAIを使いながら、「意思決定の最終責任」は人が持つ。

そんな協働の在り方が、クライアントへの提供価値をさらに高めていくのではないでしょうか。

 

最後に

テクノロジーの進化は今後も避けられません。

そして、それを前提とした変革を楽しむ姿勢が、これからの企業・個人の価値を決めていくことになるはずです。


Dezil Consultancyは、「人間とAIの融合」によって、従来の枠を超えたコンサルティングを探求してまいります。そして、AIの力を最大限活用しながらも、人と人との信頼と対話に根ざした価値創造を何よりも大切にしていきます。


これからの時代に求められるのは、テクノロジーを恐れず、知恵を深化させていく柔軟さと探究心。私たちはその最前線で、皆さまのパートナーであり続けたいと考えます。

 
 
 

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